
スタバの「クローバー バーティカ」とは? ─ 30秒で届く、選べるコーヒー体験
「ドリップコーヒー」が変わりつつある
スターバックスでブリュードコーヒー(いわゆるドリップコーヒー)を頼むと、大きなポットからカップに注がれるのが当たり前でした。その体験が、いま変わりつつあります。
**クローバー バーティカ(Clover Vertica)**は、スターバックスが15年以上かけて開発した次世代のブリューイングマシンです。ボタンを押すと豆が挽かれ、約30〜40秒後にはいれたての1杯がカップに届きます。
出典: スターバックス ストーリーズ
2025年3月に東京都内5店舗で試験導入が始まり、同年9月から順次展開中。2028年には国内全店舗への導入が完了する予定です。筆者は京都の複数店舗や、先日オープンした谷中御殿坂のアートギャラリー併設店でこのマシンのコーヒーを体験しましたが、いつものドリップコーヒーとは明らかに違う味わいでした。
この記事のポイント
- 5種類の豆から好みの1杯を選べて、約30秒でいれたてが届く
- カフェミストはミルク6種×豆5種で最大30通りの組み合わせが可能
- 2026年3月時点で全国96店舗に導入済み。2028年に全店展開予定
どう抽出するのか ─ バキュームプレス技術
クローバー バーティカの抽出プロセスは以下の通りです。
- ボタンを押すとグラインダーが豆を挽く
- 挽いた豆が金属フィルターに投入される
- お湯が注がれ、フィルターが上下してコーヒー豆を蒸らす(フルイマージョン)
- 空気圧で湯が一気に押し出されて抽出
- 約30〜40秒でカップに注がれる
核となるのはバキュームプレス技術です。豆をお湯に浸す「浸漬式」と、空気圧で抽出する「加圧式」を組み合わせた独自の方式で、コーヒー豆ごとに浸漬時間と攪拌時間がデジタル制御で最適化されています。

ペーパーフィルターではなく金属フィルターを使用するため、コーヒーオイルが残り、角が取れたまろやかな味わいになるのが特徴です。苦み・コク・酸味のバランスが取れた、飲みやすい1杯に仕上がります。
5種類の豆から選べる
従来のブリュードコーヒーは、その時間帯にポットで抽出されている1〜2種類から選ぶスタイルでした。クローバー バーティカでは、常時5種類の豆から好みの1杯を選べます。

| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| ブロンドロースト | 軽やかで穏やかな味わい。酸味が活きている |
| ミディアムロースト | バランスの取れた定番。パイクプレイス ローストなど |
| ダークロースト | 深い苦みとコク。しっかりした味わいが好みの方に |
| 季節のおすすめ | 時期によって変わる限定豆。グアテマラ カシシエロなど |
| ディカフェ | カフェインを控えたい方に。ハウスブレンド ディカフェなど(+55円) |
1杯ずつ挽いて抽出するため、どの豆を選んでも常にいれたてです。従来のブリュードコーヒーでは「その時間帯に淹れてあるもの」を飲むしかなかったことを考えると、5種類から自分で選べるのはそれだけで特別な体験です。「今日はどの豆にしよう」と迷う時間が、毎回のコーヒー体験に加わります。

ブリュードコーヒーの価格(税込・店内)
| サイズ | 価格 |
|---|---|
| Short | 394円〜 |
| Tall | 440円〜 |
| Grande | 485円〜 |
| Venti | 530円〜 |
ワンモアコーヒー(2杯目割引)も引き続き利用できます。2杯目は店内210円/持ち帰り206円なので、1杯目と2杯目で異なる豆を飲み比べてみるのもおすすめです。
カフェミストは30通りの組み合わせ
クローバー バーティカの恩恵を最も受けるメニューのひとつがカフェミストです。
5種類のコーヒーに対して、ミルクは6種類(通常ミルク、低脂肪、無脂肪、豆乳、アーモンドミルク、オーツミルク)から選べます。つまり最大30通りの組み合わせが可能です。
たとえば「ブロンドロースト × オーツミルク」にすれば、軽やかなコーヒーにオーツの甘みが加わったやさしい味わいに。「ダークロースト × 豆乳」なら、深いコクとまろやかさの組み合わせが楽しめます。ゆっくり過ごすのに最適な1杯を探している方は、カフェミストの飲み比べから始めてみてはいかがでしょうか。
従来のクローバーとの違い
「クローバー」という名前を聞いたことがある方もいるかもしれません。初代クローバーは2000年代に米国で誕生し、ハワード・シュルツ(スターバックス創業者)がその味に惚れ込んだことで2008年にスターバックス専用マシンになりました。
ただし、初代クローバーはリザーブ店舗限定。日本では全国27店舗程度でしか体験できない特別なものでした。
| 初代クローバー | クローバー バーティカ | |
|---|---|---|
| 導入開始 | 2008年(日本) | 2025年(日本) |
| 設置店舗 | リザーブ店舗のみ(約27店) | 全店舗へ展開予定 |
| 抽出方式 | バキュームプレス | バキュームプレス(改良版) |
| 豆の選択肢 | リザーブ専用豆 | 5種類から選択 |
| フィルター | 金属フィルター | 金属フィルター |
| 抽出時間 | 約1分 | 約30〜40秒 |
| 構造 | シングルタワー | シングル/デュアルタワー(モジュラー式) |
バーティカは初代の技術を継承しつつ、抽出スピードの向上とモジュラー設計によって、繁忙店から小規模店まで柔軟に対応できるよう進化しています。
ペーパーフィルター不要 ─ 環境への配慮
クローバー バーティカの金属フィルターは、ペーパーフィルターを不要にします。スターバックスの試算では、全世界33,000店舗への導入が完了すれば、年間約2億枚のペーパーフィルターが削減される見込みです。
さらに、1杯ずつオーダーを受けてから抽出する方式は、ポットで大量に作り置きする方式と比べてコーヒーの廃棄量を約70%削減できるとされています。おいしさと環境配慮が両立するのは、うれしいポイントです。
導入店舗の見つけ方
2026年3月時点で、導入済みの店舗は全国96店舗。スターバックス公式の導入店舗一覧から確認できます。
ただし、都道府県別に見ると分布はかなり偏っています。
| 地域 | 店舗数 |
|---|---|
| 東京都 | 60 |
| 大阪府 | 5 |
| 北海道・千葉県・神奈川県 | 各3 |
| 宮城県・富山県・愛知県・京都府・兵庫県・福岡県 | 各2 |
| 秋田県・栃木県・長野県・静岡県・岡山県・広島県・香川県・愛媛県・大分県・沖縄県 | 各1 |
96店舗のうち約6割が東京都内です。地方ではまだ出会える店舗が限られるので、見つけたらぜひ試してみてください。
筆者が訪れたスターバックス カフェ & アートギャラリー 谷中御殿坂にもクローバー バーティカが設置されていました。アートを眺めながら、好みの豆を選んでいれたてのコーヒーを楽しむ。これまでのスタバ体験とはひと味違う時間が過ごせます。
まとめ ─ 「いつものコーヒー」が変わる
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 抽出方式 | バキュームプレス技術。金属フィルターでコーヒーオイルが残るまろやかな味わい |
| 選べる豆 | 常時5種類(ブロンド・ミディアム・ダーク・季節限定・ディカフェ) |
| 価格 | ブリュードコーヒー Short 394円〜。ワンモアコーヒー(2杯目210円)も利用可 |
| 導入状況 | 全国96店舗(2026年3月時点)。2028年に全店展開予定 |
クローバー バーティカの導入で変わるのは、味だけではありません。「今日はどの豆にしよう」と選ぶ楽しさ、30秒で届くいれたての香り、そして毎回違う味を試せるワクワク感。スタバでの過ごし方に、新しい楽しみが加わります。
すでに導入されている店舗を見つけたら、まずはブラックで1杯。豆の個性がダイレクトに伝わる、いれたての味わいを体験してみてください。希少な豆をさらに深く楽しみたい方は、リザーブ店舗63店 完全ガイドもぜひチェックしてみてください。








