
【スタバ探訪】京都BAL ─ アートに囲まれる"共同アトリエ"
東京・谷中に「スターバックス カフェ & アートギャラリー 谷中御殿坂」が2026年3月にオープンしたとき、「スタバ初のアートギャラリー併設店」と紹介されたことを覚えている方もいるかもしれません。実はその少し前から、同じ「カフェ & アートギャラリー」を冠する店舗が京都にもあります。京都BAL 3F のスターバックス、その日常使いの様子を平日昼に訪れて見てきました。

この記事のポイント
- 2019年に「アーティストたちの共同アトリエ」として生まれた既存店。2025〜2026年に「カフェ & アートギャラリー 京都BAL」へ改称
- 約80点の現代アートに囲まれる空間。サイレンロゴ×道路標識の巨大球体や紙の塊の壁面など、見どころが店全体に散らばる
- 椅子もテーブルも全部違うデザイン。電源・Wi-Fiは整備されているが、過ごし方としてはアートを眺めながらゆっくりが合う
「カフェ & アートギャラリー」名義の元祖店舗
京都・河原町三条にある商業施設「京都BAL」の3階に、スターバックス コーヒー 京都BAL店があります。2019年のリニューアルオープン時から、京都を拠点に国際的に活動するクリエイティブ・プラットフォームSandwichがアートディレクションを担当。「アーティストたちの共同アトリエ」をコンセプトに、若手アーティストの作品を店内に多数展示する形でスタートしました。
そこからオープン6年を迎える2025年、初の大規模な作品入れ替えが行われ、35点が新作と差し替えに。同じタイミングで店舗名も「スターバックス カフェ & アートギャラリー 京都BAL」に改称されています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 店舗名 | スターバックス カフェ & アートギャラリー 京都BAL |
| 所在地 | 京都府京都市中京区河原町通三条下ル山崎町251 京都BAL 3F |
| 営業時間 | 11:00〜20:00(京都BALの営業時間に準ずる) |
| 最寄駅 | 京阪 三条駅 徒歩9分/阪急 京都河原町駅 徒歩8分 |
| Wi-Fi | あり(STARBUCKS / docomo / Softbank / Wi2 300) |
| 展示作品数 | 約80点(定期入替あり) |
| アートディレクション | Sandwich(鬼大名) |
訪問した日のこと
訪れたのは2026年4月29日(水)の正午すぎ。京都BAL自体が11時オープンの商業施設で、それに合わせてスタバの営業時間も11:00〜20:00と少し遅め・短めです。BAL の入口から3階まで上がり、フロアの一角にあるスタバへ。
ちょうどお昼時に入ったので店内はかなり空いていて、好きな席を選べる状態でした。とはいえ、地元の人や観光客が次第に流れ込んできて、注文を済ませるころには席がじわじわ埋まっていくような流れ。京都の中心部とはいえ「ホテル併設の駅前店」みたいな混み方ではなく、商業ビルの中の落ち着いたペースです。
店内の見どころ
道路標識とサイレンロゴが乗る巨大な球体
入口付近に置かれた円形のディスプレイ台に、複数の球体オブジェが並んでいます。サイレンロゴが大きく描かれた黒い球体、道路標識(駐車禁止、止まれ、矢印、自転車、速度標識)をコラージュしたような球体、木をくり抜いた天然素材の球体、地球儀。

スターバックスの記号と、街にある記号(道路標識)と、自然物(木のボウル、地球儀)が同じ台の上に並ぶ構図が面白く、見ていて飽きません。背景の壁にもアート作品が複数飾られていて、店に入った瞬間に「ただのスタバではない」と分かる入りになっています。

物販棚の手前にも、オレンジ色の人型のような彫刻が立っていて、「PLEASE KEEP AWAY」のサインと一緒に展示されています。動線のあちこちに作品が点在しているので、コーヒーを受け取って席に向かう間にも自然に何かしらのアートと出会います。
紙の塊が壁から浮く立体オブジェ
レジカウンター左手に進むと、新聞紙や雑誌のページを石のような形に固めたオブジェが、壁面から金属アームで浮かせて並べられているのが目につきました。

下は使い終わったカップの返却カウンター。実用的な動線の真上に、紙を固めた重そうな塊がふわりと浮いている、という対比が独特です。実用と展示の境界が曖昧なのが京都BALらしい見せ方になっています。
縞模様の人物彫刻と窓辺のラウンジ
窓側にはアームチェアと小テーブルが置かれた小さなラウンジスペースがあり、外の非常階段越しに自然光が差し込みます。手前には大きな抽象画と、縞模様の絵の具が塗られたフィギュア群が並んでいて、コーヒーを飲んでくつろぐ人と、奇妙な造形物がひとつの視界に収まる構図になっています。

床は油絵具のような色のしぶきが点在しているコンクリート仕上げで、アトリエらしさを意識した作りなのが分かります。
カフェスペースを囲うように飾られたアート
席エリアの一画では、カフェスペースを囲うように複数の絵画作品と立体作品が並びます。

手前にはベンチや椅子があり、コーヒーを飲みながらそのまま作品を眺めて過ごせる構成。籠に入った商品ディスプレイも作品と一緒に並べられていて、物販と展示の境界が曖昧になっているのが面白いところです。展示作品はすべて購入可能で、売れた作品は新しい作品に入れ替わって循環していくとのこと。
椅子もテーブルも全部違う
この店舗を歩いていてもう一つ気付くのが、椅子とテーブルがほとんど同じものがないことです。

緑のスツール、革張りのアームチェア、小学校の椅子、籐のチェア、低い丸テーブル、四角いサイドテーブル……。形も素材も高さもバラバラで、「今日はどの椅子に座ろうかな」というところから店舗体験が始まる感覚があります。同じ椅子に毎回座るのではなく、訪問のたびに違う席に座って違う見え方を楽しむ、という使い方が合います。
過ごしやすさ
電源・Wi-Fi
公式情報には電源の記載がありませんが、訪問時に確認した範囲では電源席はあります。テーブル席の壁際や柱の根本など、何カ所かに配置されていました。Wi-Fi は STARBUCKS Wi-Fi のほか、docomo・Softbank・Wi2 300 が利用可能です。作業利用が完全にできない店舗ではありません。
ただ、雰囲気としては「PCを開いて長時間集中する」よりも、コーヒーを片手に椅子を選んで、店内を歩いてアートを眺めながらゆっくり過ごす方が合います。電源やWi-Fi目当てなら、スタバの電源・Wi-Fi事情ガイドで紹介している作業特化の店舗を選ぶのも手です。
天井が高くて席もゆったり
天井が高く、テーブルの間隔も比較的広め。同じスタバでも駅前の高密度な店舗とはくつろぎ方の質が違います。椅子の選択肢が多いので、姿勢を変えたいときに席を移ることもできるのが嬉しいところです。
トイレは BAL 施設のもの
トイレは店舗内にはなく、京都BAL のフロア共用トイレを使う形になります。レジで一声かければ案内してもらえます。
京都BAL 内の他の店舗とセットで
京都BAL の中には無印良品、ロンハーマンなどのショップが入っていて、地下には丸善京都本店があります。買い物や本屋に立ち寄った帰りに、3Fのスタバでひと息つく、という動線が組みやすい立地です。京都観光の合間の時間調整にも使えます。
谷中御殿坂との違い
ユーザーから「『スタバ初のアートギャラリー併設店』を名乗る谷中御殿坂と何が違うのか」と気になる声があったので、整理しておきます。
| 項目 | 京都BAL | 谷中御殿坂 |
|---|---|---|
| 業態化のタイミング | 2019年に「共同アトリエ」コンセプトで誕生。2025〜2026年に名義を統一 | 2026年3月28日オープン時から「カフェ & アートギャラリー」業態として |
| アートディレクション | Sandwich(京都拠点) | The Chain Museum(展覧会企画運営) |
| 展示形式 | 共同アトリエ。約80点を常設し、まとめて入れ替え | テーマ展/フェア展/パブリック展の3形式で年間入替 |
| 立地 | 商業ビル「京都BAL」3F、河原町通り | 大正の看板建築が残る荒川区西日暮里 |
| 建築 | ビルの1フロア、コンクリート仕上げ | 木造2階建て、地域の街並みに調和 |
| 規模 | 1フロアにギャラリー機能を内包 | 74席・木造2階建て、ギャラリーウォールを設置 |
つまり「店舗業態として最初からアートギャラリー併設で出店した初の店舗」が谷中御殿坂、「実質的にアートと併存する店舗を最も早く始めたのが京都BAL」、と整理するのが分かりやすいと思います。両者は競合ではなく、スターバックスがアートにどう関わるかを試行してきた歴史の異なるフェーズとして捉えると、訪れたときの楽しみ方も広がります。
谷中御殿坂のオープン情報はスタバ初のアートギャラリー併設店「谷中御殿坂」、オープン後のレビューは谷中御殿坂のオープン初日レビューにまとめています。
こんな過ごし方におすすめ
- 京都観光の合間にひと息: 河原町・三条エリアの中心。BALの買い物ついでに3Fまで上がる
- 椅子と作品を選ぶ楽しみ: 同じ椅子が(ほぼ)ない店舗。日替わりで席を変えて違う眺めを試す
- アートをきっかけにした静かな時間: 1作品の前にじっと座って眺める、という過ごし方が許される空気
- 京都の本屋とセットで: 地下の丸善京都本店で本を買って3Fで読む、というルートが組める
逆に、開店直後のラッシュや、PC作業最優先の人には、別の京都の駅近スタバの方が合うかもしれません。
アクセス
| 手段 | 詳細 |
|---|---|
| 阪急京都本線 | 京都河原町駅 3番口から徒歩約8分 |
| 京阪本線 | 三条駅 6番口から徒歩約9分 |
| 市バス | 「河原町三条」バス停から徒歩約2分 |
| 営業時間 | 11:00〜20:00(京都BALに準ずる) |
11時オープンなので、朝のスタートには使えません。10時台までに開いている京都の他の店舗で朝コーヒーを済ませてから、BALオープンに合わせて移動するのが京都散策の動線として組みやすいです。
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 業態 | カフェ & アートギャラリー(2019年〜の共同アトリエが発展) |
| 展示 | 約80点の現代アート、Sandwichディレクション |
| 椅子・テーブル | ほぼ全て異なるデザイン。選ぶ楽しみがある |
| 設備 | 電源あり・Wi-Fiあり。トイレはBAL共用 |
| 営業 | 11:00〜20:00(BAL準拠) |
| 立地 | 京都BAL 3F、無印・ロンハーマン・丸善とセットで使える |
京都BAL店は、「スタバが新しいことを始めた店」というより、スタバが何年もかけてアートとの距離感を試してきた、その積み重ねが見える店という印象を持ちました。谷中御殿坂と並べて、両方訪れてみると、それぞれの違いが立ち上がって面白いと思います。
京都の他のスタバや過ごし方の参考は、スタバでの過ごし方完全ガイドもあわせてどうぞ。








